ロニさんの作品の基本は、数値データからのインサイト、そしてユーモアがある。政治や人種、宗教的な内容であっても、かならずユーモアのある視点を加えることで興味を持たせる工夫がある。それは、新聞の挿絵のような皮肉ではなく、見る側の人間を冷静にさせる力がある。
また、空間を利用したインフォグラフィックスでは、建物の階段や公園のベンチなど、街中にダイアグラムを描いているワークがある。これらは見ている人々が、グラフの中に自身が入り込むことで体感するという経験を創り出している。以前、私が人口推移グラフでインタラクティブ操作を通して、データを体感することをグラフで表現させたことと、とても似ている。如何に、データをナラティブな情報として受け取らせるかということは、デザイナーの役目であると思う。